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2012年7月17日 (火)

出走拒否と損害賠償(高知競馬)

馬主が高知県競馬組合を提訴 札幌地裁 (高知新聞 2012/06/27)

ちょっと余裕ができたので、上記の件について思うところをつれづれなるままに書いてみようと思います。
長いし、まとまっていないので、あんまし一気読みはおススメしない。

(基本的には高知競馬の肩を持つ方向になると思います)
 
  
高知競馬を知らない人はなんのこっちゃの話ですが・・・
 
 
問題の発端となる出走拒否が発生したのは2010/04/26のこと。
そのあたりの経緯を外野から分かる程度で多分可能な限りまとめたつもりなのが下記。
 
 
高知競馬、あいかわらず危機、か・・・ (当ブログ2010/10/08) 
 
 
ソースはおおむね高知新聞(Web、紙面)ですが、Web上の元記事はほぼ消えるか内容的には薄いです。

繰り返しですが、そのあたりを修正加えつつ、もう1回書きます。

【経緯】
(2010年)
4月 馬主14人が馬主協会を脱退
(※1)
4/26 県競馬組合、脱退馬主からの出走申込を拒否(※2)
?? 脱会馬主が高知地裁に出走権の確認を求める仮処分を申し立て(※3)
9/22 高知地裁、出走権を認める仮処分
9/26 協会馬主、競馬組合に「出走拒否」文書通告

9/29(27?~) 十河副知事、馬主協会幹部達と調整、なんとか説得

(2011年)(※4)

(2012年)
6/6 馬主8人が出走拒否のために得られなかった手当・賞金、慰謝料の損害賠償を札幌地裁に訴える
(※5)
///////////ここまで

(※1) 脱退理由は馬主協会への不満(2010年記事で既述)
(※2) 出走拒否の理由は明文化されていない「慣例」によるもの(2010年記事で既述) 
高知新聞紙面によれば、出走拒否となった馬は31頭。Web上では40頭余りという数字も見ましたが、それ以上の数ということはないと判断していいと思います。出走拒否が理不尽だとしても、なんらの進展もないうちに馬を出走目的で転入させるのは考えづらいからです。
(※3) ちゃんと記録を取らなかったので時期不明です。6、7月くらいだと思うんですが・・・
(※4) これといった動きをキャッチしておりませんのでこの間の事態の推移は不明です。
(※5) 札幌地裁というのは、名前の出ている馬主さんが北海道の人で、おそらくは8人のうち多数が北海道もしくは近縁の地域に在住と思われますが・・・
 
 

で、ようやく今年2012年のお話を始められます。
といっても、訴訟が明らかになったという程度で、あまり大した内容ではありませんけど。
 
その訴訟ですが、訴えた馬主さんは8人。
馬主協会所属時、競馬組合から支給される出走手当(当時2万7千円)から馬主協会へ強制的に「相互扶助費」として2千円差し引かれることへの不満、あるいはその根拠、使途が不明であることを理由に馬主協会を脱会。
競馬組合が慣例である「馬主協会所属」を出走要件として、2010年5~9月の間に出走拒否したため、その間に馬を出走させていれば得られたはずの出走手当・賞金、さらに慰謝料を請求。
額はまちまちながら、総額4481万円

2年前の当初は14人だったので6人脱落。
単純に、訴訟するには引き合わない、程度のことだと思います。
出走手当が2.7万なので、出走拒否5ヶ月の間に月2走したとして10走で、1頭あたり27万。
賞金も最下級条件だと勝って9万、5着で5千円ですから、勝って勝って勝ちまくってやっと100万超えるくらいでしょうか。
そんな想定で請求額出してないと思いますんで・・・
いちいち計算しませんが、下級条件で馬券になるかならないか微妙な感じの馬だと、1走あたりの賞金は1万円前後になると思います。
10走を前提にすると10万円で、出走手当コミでも37万。
出走回数増やしたり、賞金見込額の基準を上に見積もれば50万超えると思いますが、所有頭数が1、2頭くらいだったら、もうわざわざ裁判してまで・・・という感じはしますね。
違う方向から見ると、当初の出走拒否頭数が先述の40頭余りとして、抜けた6人が2頭ずつ持ってたとすると、訴訟対象頭数は28頭前後と推測。
請求額は総額約4500万なので、慰謝料コミで1頭あたり160万ちょいと計算。
馬主1人あたりの最低額が208万なので、実際の対象頭数、馬のクラス、何頭持ってるかでバラツキあると思いますが、慰謝料のパーセンテージが高いのかな?と思ったり。
 
 
余計な計算を長々とやりましたが、結局のところ、訴訟を起こしたってことは(しかも高知じゃなくて札幌でってことは)、もう高知競馬で馬を走らせるつもりはないということなんですよね、きっと。
高知競馬の明文化されてない「慣例」という「悪癖」が問題だったと言えるんでしょうし、馬主協会の運営も新規に加入した人たちにしてみれば疑問符がつく状態だったと推測もできますが・・・
脱会馬主さんたちはもうちょっと柔らかい対応はできなかったのかな、という気もするのです。
別に、馬主協会の言うままになってりゃいいんだ、という訳ではなく。
例えば、先述の出走手当から差っ引かれる「相互扶助費」の2千円。
出走拒否されて、2千円のために2万7千円(差っ引かれて2万5千円か)を失ったわけです。
高知地裁の仮処分にしてから、脱会馬主さんの主張は認められたものの、交渉として「馬主協会に所属した上で議論する」という道はなかったものか、と思います。
まあ、高知県人の意固地な部分も分かりますので、おそらく相当困難なことだと思われたことでしょうが・・・
どういう結論になるにせよ、決着するまでは「相互扶助費待て」という議論の入り方とかなかったんでしょうか。
むしろ、田舎の高知県人よりも、他所の人の方がそういう議論のテクニックを持ってると思うんですけども。
ともあれ、お金のことを考えたら、あまり譲歩もしてられないんでしょうが、議論するにあたっての条件はいくらでも考えられたはず。

例えば、高知競馬が出走拒否してきたとき。
単純に、「協会馬主じゃないと出走できないのはおかしい」と主張するだけでなくて、「俺ら大喧嘩して、もう飛び出してきちゃったんだよ、今更どのツラ下げて戻れるんだよ、どーしろっての?」と解決策を相手に求めるようなやり方もできたんじゃないかなって。

それから、あんまり表立って新聞には載ってない(当初の第一報くらいですかね)ですけど、A調教師の存在が問題をややこしくした可能性も依然として考えられるんですよねー
あんまし、そういうことも考えたくはないんですけども。
この件に関して、あれこれと考えて、思考が行き詰るとついつい易きに流れて個人のせいにしたくなってしまうのので、一応自戒すべきだな、と思ってはおります。

あんまりまとまったことを書けてませんが、脱会馬主さんたちについてもうひとつだけ。
脱会馬主さんたちは、馬主協会の費用負担あるいはその使途の不明瞭なるを主たる理由として、馬主協会を飛び出したわけです。
カンタンに言えば、「お前らにわけのわからん理由でカネ払いたないんじゃ!」ということで、大雑把に言ってしまえばなるほどよく分かります。
しかし、出走が可能だとして(そうなったわけですが)、逆に不当な利益を得る可能性もなきにしもあらず。
それが不当と言えるか分かりませんが、一応、協会馬主さんたちからみれば「それはないんじゃないの?」と言いたくなるだろうと外野からでも推測することがあります。

それが『高知県馬主協会会長賞』です。

馬主協会の情報は開催運営に携わる者かまんま馬主でもないと正確なところは分かりませんが・・・
読んで字のごとく、この賞を馬主協会が出してなかったらおかしいですね。
さて、この馬主協会から贈られる賞ですが、全部見るのめんどくさいので推測ですが、高知競馬で行われる重賞のほとんどで副賞として贈られているはず(確かめたい人は高知競馬HPで重賞の実施要領を探してみてください)。
さて、脱会馬主さんの馬が重賞を勝ちました。
高知県馬主協会会長賞が贈られます、パチパチ・・・
しかし、賞に必要な費用を脱会馬主さんは負担していません。
会費等が不明瞭だから一切払わん!と脱会してしまったからです。
これは不当に利益を得ている、と感想を持つ人がいてもしょーがない気も。
もちろん、交流競走の設定で、高知の馬主協会とは無縁の福山の馬主さんがもらってしまうということ考えられますんで、それも費用負担してないという点では同じじゃないか、という指摘もありそうです。
さりながら、それはそれで「交流」によってイベントを盛り上げるというお題目もありますから。
お客さんならともかく、同じ競馬場に所属していて、一方は費用負担して他方は負担しない、ではそれこそ筋が通らないことのように思うのです。

高知県知事賞の表彰式の動画があれば、多分、延々と副賞を授与してる絵ヅラがあると思いますんで、興味のある方は探してみてください(苦笑)

余談ながら、副賞の費用的な話に踏み込んでみると・・・
現行の企業協賛レースにかかる費用を物差しにしましょう。
負担金5万プラス副賞品4人分ですね。
単純に負担金の1割×4人が副賞品費用と仮定しましょうか。
すると5千円×4人で2万円。
重賞の場合、もっと豪華にってことで倍に見積もりましょうか、すると4万円。
黒船賞と未定分のぞくと13重賞ありますから52万円。
意外と安くあがるね(苦笑)

もうまとめる気ナッシングですが、ファイナルレースの実況で締め切り後のレース紹介のタイミングで耳にした覚えのある人もいるんじゃないでしょうか。
いつもそうかは覚えていませんが、橋口アナが「高知県馬主協会奨励賞」と紹介していることがあったはずです。
これがどういう形のものかは重賞以上に分からないところですが・・・
費用の使途が不明瞭だとしても、まったく還元していないわけでもないと思うのですよね。
そして、おかしいならおかしいで、なぜそれを是正する方向に向えなかったのか。
それが残念でなりません。

まして、馬主のイザコザが発端なのに、競馬組合が損害賠償請求されて(理由はあるにせよ)ツケを払う形になってるのが、なんともいえない気分に。
ぶっちゃけると、馬主は他所へ行けばいいけど、競馬場は逃げられないんだからさ。
そういう意味では、馬主協会を飛び出し、訴訟も高知を飛び出して己のホームグラウンドで起こした脱会馬主さんが、ホントに高知競馬で真摯に(というのも難しいと思いますが)競馬をやろうとしていたかどうか、というのには大いに疑問符をつけたいところです。
誰か、競馬ジャーナリスト、取材してくんねぇかなぁ・・・

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